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タイの兵役はクジ引き制?兵役や徴兵制について解説

2022/02/08

タイの兵役・徴兵制について

タイへ移住をするなら、政府や政治など、タイの国内社会のことも理解しておきましょう。2022年現在、タイの首相は陸軍出身のプラユット氏です。形式上は選挙によってえらばれた民主主義政府ですが、実質的には軍事政権の流れをくんでいるため、軍部の影響が大きいと言われています。タイでは未だに王国軍が大きな権力を握っているのです。

また、タイの軍事力は世界で23位と比較的高く、軍事力の維持に力を注いでいると考えられています。軍事力・兵力の維持の方法の一つが、徴兵制です。タイでは男性はみな兵役の対象となる可能性があるため、タイの国民にとって決して他人事ではありません。そこで今回はタイの兵役や徴兵制について解説します。


タイの兵役はクジ引き制?

タイの兵役・徴兵制について

タイには徴兵制度があります。タイ国籍を持つ男性は18歳の誕生日に予備兵役の登録をします。そして21歳になる年の4月に徴兵検査を受験する義務があるのです。

徴兵検査の対象者は、まず身体検査を受験します。身体検査に合格した者はクジを引き、そのクジの結果によって

・陸軍への入隊
・海軍への入隊
・空軍への入隊
・兵役免除

のいずれかに決まります。クジが赤色だった場合は兵役が決定、黒色だった場合は兵役免除となります。このため、タイの徴兵制は別名「ジャップ・バイデーン」(赤紙を引く)とも呼ばれています。

人生の大きな岐路がクジ引きで決まるということで、日本人にとってはなかなか想像しづらいものがありますね。


タイの兵役は何年?

タイの兵役期間はそれぞれの条件によって異なります。通常は2年間とされていますが、大卒者は1年間に短縮されます。また、クジを引かず自ら兵役を志願すれば、兵役期間が半年から1年ほど短縮されるそうです。

また、病気や怪我、大学や大学院、仕事の都合など、それぞれの事情に応じて、クジ引きを29歳まで先延ばしする事も可能だそうです。


兵役免除の条件

タイの兵役・徴兵制について

タイの兵役は義務ですが、一定の条件下で兵役免除が認められます。 具体的には

・持病がある場合や身体検査に合格できなかった場合
・学生時代に学校で毎週1、2時間の軍事教練を受けていた場合
・軍事関係者や僧侶、公務員など公的な地位にある者からのレター提出があった場合

等の条件に合致する場合は兵役が免除となります。上記の条件により、富裕層の子供たちは軍事教練を済ませているか、レター提出があるため、兵役免除となるケースが多いようです。また、戸籍上は男性であるトランスジェンダーの方も審査の上、兵役免除となるそうです。


芸能人も僧侶も兵役の対象

兵役の対象となるのは芸能人や僧侶ももちろん例外ではありません。特に人気芸能人の場合は大きな話題になるため、徴兵検査場を訪れる模様が毎年大きく報道されています。

2020年には人気ドラマ「2gether」の主演俳優であるウィン・メータウィンさんが徴兵検査を受けました。人気の若手イケメン俳優ということもあり、タイ国内では大きく報道されたようです。ウィン・メータウィンさんの場合は志願者で兵役の枠が埋まったため、クジ引きは行われず、そのまま兵役免除となったようです。


兵役逃れの罰則

仮に徴兵のクジ引きから逃げた場合は兵役逃れとして、刑事罰の対象となってしまいます。懲役1~3カ月以内、もしくは100~200バーツ以下の罰金刑に課せられる可能性があります。刑事罰としてはそれほど重くありませんが、何よりも兵役逃れはタイ人にとって非常に不名誉なこととされているため、厳しい世間の目にさらされるという事情もあるようです。



コロナ禍による徴兵制の変化

タイの兵役・徴兵制について

一方、コロナ禍によって、徴兵制の対象となる若者にも変化があるようです。コロナ禍で失業者が増加したことにより、兵役に志願する若者が以前より増加したと言われています。徴兵されれば、公務員として最低限の給料が保証されるため、自ら兵役を志願する若者や、志願しないまでも兵役を受け入れる若者が意外と多いようです。


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いかがでしたか?それぞれの事情によって兵役期間が短縮されるケースや、免除される方法もあるものの、日本人からすれば過酷な制度に思えます。中にはクジ引きの結果、最も訓練が厳しいと言われている海軍への入隊が決定し、ショックのあまり失神してしまう若者もいるんだとか。タイへの移住をお考えなら、こういった社会事情も知っておく必要があります。

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