タイを始めベトナムやインドネシア、カンボジアなど水運が発達した場所で広がった水上マーケット。その文化や歴史が分かる観光スポットとしても人気ですが、今でも地元庶民の生活に欠かせない場所なのです。そこで今回はタイの水上マーケットの魅力や、タイに行ったら訪れたい観光にもお薦めの人気スポットについてご紹介します。

水上マーケットの歴史

バンコクはタイランド湾へと流れるチャオプラヤー川を中心に運河が網の目のように広がっていて「東洋のヴェネツィア」と呼ばれるほどの水の街です。古くからその運河や水路を利用した水運が発達していて、水辺に住む人たちだけでなく周辺の地域に暮らす人たちがボートを交通手段として利用していました。そんな中、商人たちもボートに食品や生活雑貨など様々な物を積み、村から村へと移動しながら商売をしました。こうして水上マーケットが根付いて行ったのです。

その後陸路の交通網が発達し始めると水上マーケットは徐々に数を減らしていきました。ただ、ボートの上で美味しいタイのストリートフードを買って食べるなど観光客にとって水上マーケットは今でも根強い人気があります。買い物や飲食だけでなく、売り子がボートを自由自在に操る様子を見物したり、タイ文化を体験できる人気スポットとして世界中から訪れる観光客が後を絶ちません。

バンコクの水上マーケットの魅力

観光でバンコクに訪れる場合、水上マーケットは外せないスポットです。ほとんどの人が最初の旅で少なくとも1ヶ所は訪れますし、今後バンコクを旅しようという人も必ず訪れたいと思っているでしょう。
ここからは世界中の人たちを惹き付けるバンコクの水上マーケットの人気の理由をご紹介します。

風情

運河や水路を所狭しと行き交うボート。その様子は昔から変わることのない何とも風情のある風景です。エキゾチックな雰囲気の中に足を踏み入れるワクワク感は言葉にならない貴重な体験となります。

伝統

昔から運河や水路を利用した水運が発達していたタイで、水上マーケットは庶民の日常生活を支える貴重な場所として根付き栄えてきました。今は世界中から多くの人が訪れる有名な観光スポットにもなっていますが、地域に暮らす人たちにとってはこれまでと変わらず生活に欠かせない場所でもあります。

タイ料理

水上マーケットには新鮮なフルーツや野菜、魚介類などを山のように積んだボートが数え切れないほど浮かんでいます。川岸にはその食材をふんだんに使った本格的なタイ料理を楽しめる屋台や飲食店もずらりと並んでいます。地元の食材でタイの伝統料理を楽しむ。水上マーケットではそんな贅沢な体験もできるのです。

おすすめの水上マーケット

庶民の台所的な存在として栄えてきたタイの水上マーケットは、早朝から動き始めている所や一日中賑わう所、週に数回と限定された所など様々です。ここからはおすすめの6箇所をご紹介していきます。その特徴などから行ってみたい水上マーケットを見付けてみて下さい。
（営業時間などの情報は変更されている場合もありますので、必ずお調べの上お出かけください）

ダムヌン サドゥアック水上マーケット

バンコクから南西約80kmにあるタイで最も有名な水上マーケット。国の発展に伴い水運が縮小するなどの理由から、年々減少していた水上マーケットをタイの文化として保存し観光にも役立てようと開発された水上マーケットです。1974年に映画「007黄金銃を持つ男」の舞台となったことでも注目されました。
規模が大きく活気があるマーケットはフルーツや野菜、魚介類を積んだボートで溢れています。色鮮やかなボートや買い物をする地元の人たち、訪れた観光客の賑わいを思い切り堪能できるほか、お土産物を積んだボートで買い物も楽しめます。午前7時から開いているので早起きして訪れてみるのがおすすめです。

所在地 : Damnoen Saduak、Ratchaburi 70130、Thailand
営業時間 : 毎日午前 7 時 ～ 午後 5 時
電話番号 : +66 (0)87 969 3428

アンパワー水上マーケット

バンコクの南西90km、アンパワーにある水上マーケット。バンコクから車で約1時間半と比較的アクセスが良い場所にあります。周辺に古い伝統家屋や長屋が残っていて昔ながらの雰囲気を味わえることから、観光客だけでなく最近はタイ人の若い世代からも人気があります。

全長500mほどのアンパワー運河の両岸に並ぶお店では、地元のスイーツやタイ式コーヒーが楽しめるほか、タイ料理などの飲食店や土産物店まで幅広く揃っています。マーケットは午後9時過ぎまで開催していて夜はリバークルージングが人気。特に5月～10月にかけては小舟に乗ってホタルを見ることもできるのでおすすめです。

所在地 : Amphawa、Samut Songkhram 75110、Thailand
営業時間 : 金 ～ 日 : 午前 11 時 ～ 午後 9 時半 (月 ～ 木は休業)

タリン チャン水上マーケット

バンコクのタリンチャン市内を流れるチャックプラ運河沿いにあるタリンチャン水上マーケットは、運河沿いに住む地域の人たちの生活様式をそのまま残した趣のある水上マーケットです。他のマーケットとの大きな違いは屋台もボートの上にあるということ。地元の人たちが普段から食べている料理がメインなので、運河沿いの景色を眺めながらこの地域の食文化を体験できるのも魅力の一つです。運河をロングテールボートでクルーズしながら、水上マーケットだけでなく周辺の景色を眺めるのもおすすめです。

所在地 : Village No 15、30/1 Bang Ramat Rd、Bang Ramat、Taling Chan、Bangkok 10170、Thailand
営業時間 : 土 ～ 日 : 午前 8 時 ～ 午後 5 時

クローン ラット マヨム水上マーケット

バンコクの直ぐ西側にあるクローン マット マヨム水上マーケットは地元の人たちが利用する中規模なマーケット。タリンチャン水上マーケットと同様、地元の人たちが食べるローカルな料理や伝統料理が楽しめます。特にボートの上で販売されているカノムジーン（麺料理）やホイトート（牡蠣のタイ風お好み焼き）などは手頃な値段でランチなどにおすすめです。他の水上マーケットに比べるとボートの数は少ないですが、岸にあるマーケットでも新鮮な果物やお菓子を試食、販売しています。タリン チャン水上マーケットに近いので両方廻ることも可能です。

所在地 : 15170/1 Bang Ramat Rd、Bang Ramat、Taling Chan、Bangkok 10170、Thailand
営業時間 : 土 ～ 日 : 午前 8 時 ～ 午後 5 時 (平日は休業)

バーン ナム プン水上マーケット

バンコク中心部から車で約40分。タイの中央部「サムットプラカーン県」にあるバーンナムプン水上マーケットは、「バンコクの緑の肺」と呼ばれるチャオプラヤー川の曲がりくねった川沿い近くにある小規模な水上マーケット。周辺には熱帯林が茂っていて少し足を延ばすとバードウォッチングなどが楽しめる州立公園もある緑いっぱいの地域です。

ローカルフードやこの地域の農産物などはもちろん、スイーツや民芸品まで様々なものが販売されています。ただボートの数が極めて少なく「水上マーケット」の印象は薄いです。おすすめは「クイッティアオ・ルア」と呼ばれる麺料理。日本語では「舟そば」とも呼ばれていて、豚肉や牛肉をベースにした濃い目の色のスープが特徴。小腹を満たすのに最適なこのマーケットの名物料理です。

所在地 : Bang Nam Phueng、Phra Pradaeng、Samut Prakan 10130、Thailand
営業時間 : 金 ～ 日 : 午前 8 時 ～ 午後 2 時 (月 ～ 木は休業)

ターカー水上マーケット

バンコクから南東へ約80km。ココナッツと果物の農園に囲まれたのどかな場所にターカー水上マーケットはあります。近くに先程ご紹介した「ダムヌン・サドゥアック水上マーケット」がありますが、そこに比べ観光客はかなり少なめです。ただローカルな雰囲気を求めて訪れる人もいるようです。水上では年配のタイ人が果物や野菜やお菓子をいっぱいボートに積んで販売していて、どれも安くて美味しいと評判です。買い物をしている人もほとんどが地元の人なので、タイの自然に囲まれた田舎で昔と変わらない生活や文化を目にするのに良い場所でもあります。

所在地 : Tha Kha、Amphawa、Samut Songkhram 75110、Thailand
営業時間 : 土 ～ 日 : 午前 6 時 ～ 午後 3 時

タイの水上マーケットに行くときの注意点

初めてタイの水上マーケットを訪れる場合に注意して頂きたい点がいくつかあるのでご紹介します。

細かいお金を用意しておく

日本でも夏祭りやイベントで屋台を利用する機会はあると思いますが、特に水上マーケットではおつりが不足しがちで、大きい紙幣での支払いは断られる場合があります。必ず両替をするなどあらかじめ細かいお金を用意しておきましょう。

スリ、ひったくりに注意

タイはスリやひったくりといった犯罪が多いことをご存知でしょうか。普段から街中でも気を配る必要がありますが、観光客が多い水上マーケットでも被害が多く用心する必要があります。貴重品の管理をしっかりとしておきましょう。

営業時間に注意

水上マーケットの営業時間は場所によって様々。午前だけで終了する所や夕方から夜のみという所もあります。時間だけでなく営業日もそれぞれ異なるので事前に確認しておきましょう。

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